歴史あるモデルであるインプレッサ。
その中でもスポーツは比較的新しいモデルです。
でも燃費はあまり良くないという意見も見受けられます。
それは本当なのか。
なぜ燃費が悪いのか。
他のモデルと比較しながら、検証していこうと思います!
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インプレッサスポーツの燃費はどのくらいなのか
引用元:https://www.subaru.jp
JC08モードの燃費は以下のようになっています。
- 1.6i-L EyeSight…18.2km/L
- 2.0i-L EyeSight…17.0km/L
- 2.0i-S EyeSight…16.0km/L
どういう感想を抱いたでしょうか?
こんなものだろう…とか、やっぱり燃費悪すぎる…など感想はいろいろだと思います。
むしろ悪いと思うのが普通です。
こんなものだろう、と思われた人はかなりのスバル通か、歴戦のドライバーだとお見受けします。
スバルの他の車の燃費はこのようなかんじになっています。
- XV…16~19km/L
- フォレスター…14.6~18.6km/L
- レガシィB4…14.8km/L
スバル車は燃費が良くないのが当たり前という認識があるようですが、それはどうやら正しいようですね。
インプレッサスポーツとライバルと言われている車の燃費を見ますと
- アクセラ(ガソリン)…17.8~21.6km/L
- ゴルフ…13.0~19.1km/L
- カローラスポーツ(ガソリン)…17.2~19.6km/L
となっており、インプレッサスポーツよりも燃費がいい場合が多いようです。
しかしなぜインプレッサの燃費はここまで悪いのでしょうか?
たしかにカタログ燃費であり、実際に路上を走った燃費ではありません。
しかしもっと燃費が良くてもいいのではと思ってしまいます。
スバルの技術が劣っているわけではないでしょうし。
スバル車の燃費が悪いのには理由がある
スバル車の燃費が悪いのにはちゃんとした理由があります。
まず駆動方式ですが、スバル車のほとんどが常時AWDを採用しています。
AWDは前輪駆動、つまり4WDというです。
4WDは構造上、パワーはあるのですが、エネルギーのロスも大きい機構だと言えます。
このAWDという駆動方式が、燃費の悪化につながっています。
さらにエンジンの構造にも燃費を悪化させている理由があります。
スバル独特のエンジンとして水平対向エンジンというものがあります。
このエンジンは内部のピストンが向き合って路面に水平に動くというものです。
この仕組みは高回転域では高い燃焼効率を発揮するのですが、低回転域での燃焼効率が良くありません。
ですので、市街地ではどうしても燃費が伸び悩んでしまう傾向にあります。
水平対向エンジンは低回転域のパワーも弱く、ついアクセルを強く踏んでしまうことも燃費に影響していると言えます。
そもそも燃費向上を重視してこなかった
スバル車にはハイブリッド仕様がありません。
インプレッサスポーツハイブリッドというモデルが過去にありましたが、あまり実燃費はよろしくなく、技術が他メーカーに追いつかなかったのか、今は中古車のみとなっています。
すでにトヨタや日産のハイブリッド技術は目覚ましい発展を遂げており、後を追っていてはかなわない、という判断もあったのではないかと思われます。
そのため、現在のスバルは燃費の向上を追う体制ではなく、アイサイトによる安全性の発達や、走行性能をより重視したクルマ作りを重視しています。
しかしカタログ燃費との乖離は小さい
スバル車の燃費は悪いという事実を確認しました。
しかしスバル車の燃費には評価すべき点もあります。
それはJC08モードの燃費と実燃費の差をかなり小さくすることができる点です。
JC08モードの燃費計測方法は、室内でハンドル操作なしで行われます。
ハムスターのカラカラ車のように、ローラーの上を走らせて計測するのです。
もちろん屋外を想定した負荷をローラーに加えるのですが、現実の屋外をそのまま再現はしきれません。
そのため、カタログ上に燃費と実際の燃費は違ってくるのです。
多くの場合はJC08モードの燃費よりも3割ほど実燃費は下がってしまいます。
日本では2018年10月から国際基準であるWLTPへ移行していますが、まだまだJC08モードの表記だけの車種も多く、インプレッサもその一つです。
実燃費は個々人の運転の仕方や環境によって変わってくるのできっちりと定めることは難しいのですが、調べたところ、以下の数値に落ち着く場合が多いようです。
- 市街地…9.4km/L ~12.4km/L
- 郊外…10.6km/L~14.9km/L
- 高速道路…16.8km/L~22.9km/L
AWDの特徴を先ほど述べましたが、市街地や渋滞などの低回転域をくりかえす走行では、燃費は悪くなる傾向にあります。
しかしその幅は広く、運転の仕方によってはかなり燃費を伸ばすことができそうです。
特に高速道路の燃費はカタログ値を超える数値が出る場合が多いようです。
これもAWDの特性で高回転域での燃費はかなり良くなります。
口コミでは思ったより燃費は悪くないという意見がある一方で、10km/Lにも満たないという意見もおおく見られます。
そこには、走行環境に大きな差があると推測されます。
インプレッサスポーツの実燃費を延ばす環境
自分の運転環境に合った車を選べたらいいですよね。
インプレッサスポーツは、端的に言えば高速を毎日のように使う人、渋滞や信号待ちが少ない郊外を主に運転する人に向いている車だと言えます。
逆の視点から言えば、渋滞が多い市街地でも、長距離の運転はしない人にも向いています。
一番燃費を悪化させてしまう環境は、渋滞の多い市街地で長距離の運転をする人でしょうか。
自分のカーライフスタイルを考えて検討したいところですね。
インプレッサスポーツの燃費を改善する方法
実は車の性質以外にも実燃費を悪化させる要因はたくさんあります。
エアコンの使用が燃費を悪化させるのは有名ですが、タイヤを交換したら燃費が改善した、という話はご存知でしょうか?
ここでは見落としがちな燃費改善方法をご紹介します。
空気圧を高めにする
空気圧が低くなっていると、タイヤと路面の摩擦が大きくなり、燃費が悪くなります。
しかもパンクやひび割れの原因にもなるので、空気圧には常に注意を払いましょう。
空気圧は高すぎてもタイヤにかかる負担が大きくなり、劣化を早めるため良くありません。
しかし「少し高め」に設定すると、路面との摩擦がいいかんじに減り、燃費向上につながります。
タイヤを交換する
タイヤの溝がなくなっていないかチェックしましょう。
劣化したタイヤはハンドル操作をうまく伝えることができず、燃費悪化だけでなく、事故の元にもなります。
交換するタイヤも粗悪なものは避けてください。
できるだけ調べてから、評判のいいタイヤの交換しましょう。
本当にいいタイヤは、ハンドル操作だけでなく、燃費も快適にしてくれます。
エンジンオイルを交換する
オイルは古くなったり、量が減ると燃費によくありません。
大体5000㎞走行ごとに交換してもらうといいでしょう。
予算があれば、洗浄効果があるオイルにすると、燃費の回復を体感できます。
インプレッサスポーツの燃費に関するまとめ
インプレッサスポーツの燃費が悪いというのは日本車全体から見れば事実でした。
その理由には、スバルの技術や、方向性が関係していたと言えます。
しかし、その中でも、水平対向エンジンの特性を理解し、効果的な用途を見出せば最大限の燃費性能を発揮できることがわかっています。
やはり車の魅力というのは、燃費ばかりではなくそのデザインや、制約がある性能の中、いかにして最大限に使いこなすかにあると思います。
インプレッサ系列は乗り心地もパワーもあるので、ぜひ楽しんで乗ってほしいモデルですね。
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