今年、20年ぶりに4代目のフルモデルチェンジを果たして、販売されたジムニー新型。

そもそもの販売予定台数が少なかったとはいえ、予想を遥かに上回る受注を受けて、納期が1年以上という異常な事態になった、ジムニー新型。

メーカーも慌てて増産体制を構築するはめになった、ジムニー新型の人気の秘密はどこにあるのでしょうか。

50年近くの歴史を持つ、ジムニーの人気の秘密を、歴代ジムニーを振り返ってみることで読み取ってみます。

初代ジムニーは、ボーイッシュ&ワイルド

http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/special/history/catalog/LJ10.pdf

初代ジムニーのカタログトップのデザインから分かるように、悪路を走ることに重点を置いているのが伝わってきます。

しかも、テンガロンハットを被った男の顔が、如何にもボーイッシュでワイルドなイメージを与えてきます。

初代ジムニーは、土木建設や林業など、いわゆるプロの支援をする4輪駆動車ということを全面に押し出しています。

http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/special/history/lj10.html

この画像を見ても分かるように、初代ジムニーはスペアタイヤを車内に置いたフルオープン仕様です。

初代ジムニーでは、悪路走破に置いて安定性のあるラダーフレームを用いいて、乗り心地よりも悪路走破性の高いリーフリジットを採用しています。

さらに、軽自動車では12インチが当たり前の時代に、悪路走破性を高めるために16インチのタイヤを装着しています。

さらに、2Hー4H-4Lと切り替えるトランスファーを介している本格的な4輪駆動車として生まれた初代ジムニーです。

この如何にもオフローダーというデザインと信頼性の高い構造のために、プロユーザーからの支持とともに、アウトドア好きの一般ユーザーにも支持される4輪駆動車となりました。

初代ジムニー1期(LJ10)

http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/special/history/lj10.html

初代ジムニー(LJ10)が発売されるまでは、本格4輪駆動車といえば、トヨタのランドクルーザー、三菱のジープ、日産のパトロールなどの大型な車両しかなかったというすきを突いた形で登場したジムニー。

維持費がとっても安い軽自動車は、力のないちょい乗りの自動車と言うイメージがある中、並み居る大型の4輪駆動車以上の機動力を持って登場した、初代ジムニーのインパクトは相当だったと思います。

デビューするなり、小さな車体の機動性と抜群の走破性で、悪路を走るプロユースの方々に人気を博したものと思われます。

 

エンジン型式: FB型空冷2サイクル直列2気筒

総排気量: 359cc

最高出力: 25PS/6,000rpm

最大トルク: 3.4kg・m/5,000rpm

ボア×ストローク: 61.0mm×61.5mm

サスペンション: リジッドアクスル式半楕円リーフスプリング

全長×全幅×全高: 2,995mm×1,295mm×1,670mm

ホイールスペース: 1,930mm

トレッド(前/後): 1,100mm/1,100mm

車両重量: 600kg

 

初代ジムニー2期(LJ20)

http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/special/history/lj20.html

初代ジムニーは、2期目でメタルボディーが追加されました。

そして、エンジンも空冷式から水冷式に変わりました。

外観上の違いは、メタルボディーガチ化された以外は、フロントグリルの形状が変更されたぐらいでした。

エンジンの水冷化により生まれたトルクアップにより、登坂力35度というあっと的な性能を確保しました。

砂漠を走る過酷なレース「メキシンカン1000」に出場したジムニーは、3L以上の外国車勢を相手にして、無事故で完全走破するという快挙を成し遂げて、ジムニーの耐久性と悪路走破性を確固たるものにしました。

 

エンジン型式: L50型水冷2サイクル直列2気筒

総排気量: 359cc

最高出力: 28PS/6,000rpm

最大トルク: 3.8kg・m/5,000rpm

ボア×ストローク: 61.0mm×61.5mm

サスペンション: リジッドアクスル式半楕円リーフスプリング

全長×全幅×全高: 2,995mm×1,295mm×1,670mm

ホイールスペース: 1,930mm

トレッド(前/後): 1,100mm/1,100mm

車両重量: 625kg

初代ジムニー3期(SJ10)

http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/special/history/sj10.html

軽自動車の企画が変更されてのに伴い、ジムニーもマイナーチェンジしました。

ボディサイズはそのままなるも、エンジンを水冷3気筒の550ccに変更し、「ジムニー55」と言う愛称で呼ばれるようになりました。

すでに、スペアタイヤも車外に搭載されるようになっており、室内空間にも余裕が生まれています。

この時点で、驚異の登坂力39.7度をマークしています。

エンジン型式: LJ50型水冷2サイクル直列3気筒

総排気量: 539cc

最高出力: 26PS/4,500rpm

最大トルク: 5.3kg・m/3,000rpm

ボア×ストローク: 61.0mm×61.5mm

サスペンション: リジッドアクスル式半楕円リーフスプリング

全長×全幅×全高: 3,170mm×1,295mm×1,845mm

ホイールスペース: 1,930mm

トレッド(前/後): 1,090mm/1,100mm

車両重量: 675kg

初代ジムニー4期(SJ20)

http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/special/history/sj20.html

軽規格であるSJ10のボディに、4サイクル4気筒800ccのエンジンを載せて、トレッドを若干広げたSJ20は、「ジムニー8」の愛称で呼ばれました。

外観上の変更は、トレッドが広がった関係で、オーバーフェンダーがついたくらいですが、エンジンの関係で軽自動車枠に収まらず、小型車枠になりました。

海外では、軽自動車のジムニーではなく、小型車の「ジムニー8」が輸出され、4輪車メーカーとしての「スズキ」ブランドを世界中に浸透することになりました。

 

エンジン型式: F8A型水冷4サイクル直列4気筒

総排気量: 797cc

最高出力: 41PS/5,500rpm

最大トルク: 6.1kg・m/3,500rpm

ボア×ストローク: 62.0mm×66.0mm

サスペンション: リジッドアクスル式半楕円リーフスプリング

全長×全幅×全高: 3,170mm×1,395mm×1,845mm

ホイールスペース: 1,930mm

トレッド(前/後): 1,190mm/1,200mm

車両重量: 715kg

 

2代目ジムニーは、女性ユーザーを狙ったマイルド化

初代ジムニー発売から11年を経てフルモデルチェンジされた、ジムニー2代目。

2代目ジムニーは快適な乗り心地や操縦性の向上など、より乗用車的な味付けを施してきました。

初代ジムニーは「男臭さや野性味」を全面に出した、ワイルドさを売りにしていましたが、2代目ジムニーでは、女性ユーザーの取り込みをもくろんでみたようです。

 

2代目ジムニー(SJ30)

http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/special/history/sj30.html

初のフルモデルチェンジで、初代のプロの道具としての実用一点張りから、乗用車的に変貌を遂げました。

 

エンジン型式: LJ50型水冷2サイクル直列3気筒

総排気量: 539cc

最高出力: 28PS/4,500rpm

最大トルク: 5.4kg・m/2,500rpm

ボア×ストローク: 61.0mm×61.5mm

サスペンション: リジッドアクスル式+半楕円リーフスプリング

全長×全幅×全高: 3,195mm×1,395mm×1,690mm

ホイールスペース: 2,030mm

トレッド(前/後): 1,190mm/1,200mm

車両重量: 705kg

 

2代目ジムニー1000(SJ40)

http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/special/history/sj40.html

海外で人気の高い輸出専用モデルだった、水冷4サイクルリッターエンジンを搭載したモデルを、国内向けに仕様変更して販売されました。

余裕のエンジン出力と大きめのボディーがもたらす、悪路走破性能で話題をさらいました。

後に、エンジンを1300にした、ジムニー1300(JA51)も登場しました。

エンジン型式: F10A型水冷4サイクル直列4気筒

総排気量: 970cc

最高出力: 52PS/5,000rpm

最大トルク: 8.2kg・m/3,500rpm

ボア×ストローク: 65.5mm×72.0mm

サスペンション: リジッドアクスル式半楕円リーフスプリング

全長×全幅×全高: 3,355mm×1,465mm×1,680mm

ホイールスペース: 2,030mm

トレッド(前/後): 1,210mm/1,220mm

車両重量: 805kg

 

2代目ジムニー3期(JA11)

http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/special/history/ja11.html

軽自動車規格の変更で、排気量が660ccに変更されたことによるマイナーチェンジモデルです。

排気量アップと共に、インタークーラーターボの搭載による出力アップと共に、ATやパワステが搭載されることにより、敷居が大きく下がったモデルでもあります。

このマイナーチェンジにより、ジムニーは一躍人気となり、販売台数も記録的に伸びたモデルでもあります。

エンジン型式: F6A型水冷4サイクル直列3気筒
インタークーラーターボ

総排気量: 657cc

最高出力: 55PS/5,500rpm [ ネット ]

最大トルク: 8.7kg・m/3,500rpm

ボア×ストローク: 65.0mm×66.0mm

サスペンション: リジッドアクスル式半楕円リーフスプリング

全長×全幅×全高: 3,295mm×1,395mm×1,670mm

ホイールスペース: 2,030mm

トレッド(前/後): 1,190mm/1,200mm

車両重量: 820kg

 

2代目ジムニー4期(JA12)

http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/special/history/ja12_22.html

このモデルから、オールアルミのDOHCエンジン搭載となりました。

このモデルのパフォーマンスは、飛躍的に向上し、悪路の走行性能から舗装路での走行性能まで引き上げました。

エンジン型式: 水冷直列3気筒DOHC
インタークーラーターボ

総排気量: 658cc

最高出力: 64PS/6,500rpm

最大トルク: 10,5kgm/3,500rpm

ボア×ストローク: 68.0mm×60.4mm

サスペンション: 3リンクリジッド式コイルスプリング

全長×全幅×全高: 3,295mm×1,395mm×1,680mm

ホイールスペース: 2,030mm

トレッド(前/後): 1,190mm/1,200mm

車両重量: 890kg

 

3代目ジムニーは、さらに丸みを持ったマイルド化

軽自動車規格の改正に伴い、17年ぶりのフルモデルチェンジとなった3代目のジムニー。

3代目では、一部のコアなジムニストからは批判が出るほど、丸みを帯びたマイルドな外観に変貌しました。

3代目ジムニーは、カスタムショップでのカスタムモデル多く出回り、4代目が発売された今でも、多く見かけるモデルです。

3代目ジムニー(JB23)

http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/special/history/jb23.html

3代目ジムニーでは、徹底した空力特性まで考慮した結果、やや丸みを持ったボディとなりました。

衝撃吸収ボディや5MTと4ATを採用し、タウンユースから品格的プロ業務まで対応できる本格的4WDとして生まれ変わりました。

エンジン型式: 水冷直列3気筒DOHCインタークーラーターボ

総排気量: 658cc

最高出力: 64PS/6,500rpm

最大トルク: 10,5kgm/3,500rpm

ボア×ストローク: 68.0mm×60.4mm

サスペンション: 3リンクリジッドアクスル式コイルスプリング

全長×全幅×全高: 3,395mm×1,475mm×1,715mm

ホイールスペース: 2,250mm

トレッド(前/後): 1,265mm/1,275mm

車両重量: 950kg <970kg>

< >は運転席SRSエアバック&4輪ABS装備車。

 

3代目ジムニーシエラ(JB43)

http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/special/history/jb33_43.html

JB23とほぼ同時に発売されたジムニーシエラ。

室内空間も快適に、エンジンも高性能化されオンロードからオフロードまで、余裕を持って走れるモデルに生まれ変わりました。

エンジン型式: 水冷4サイクル直列4気筒

総排気量: 1,298cc

最高出力: 85PS/6,000rpm

最大トルク: 11,3kgm/4,500rpm

ボア×ストローク: 74.0mm×75.5mm

サスペンション: 3リンクリジッドアクスル式コイルスプリング

全長×全幅×全高: 3,550mm×1,600mm×1,705mm

ホイールスペース: 2,250mm

トレッド(前/後): 1,355mm/1,365mm

車両重量: 1,010kg <1,030kg>

 

まとめ

こうして、初代ジムニーから先代ジムニーまでを振り返ってみると、ジムニーの人気は、いつになっても変わらない、プロユースに耐える本格的な4輪駆動車という基本ポリシーを貫いているというところではないでしょうか。

ジムニー新型の納期最新情報は、こちらから

この記事を書いた人

還ジィ 還暦を過ぎたオヤジだから「還ジィ」還暦過ぎたからって、何にでも貪欲に興味を持って取り組んで行きたいと願って、そんな思いを伝えられる文章を書きたいと思っています。